はじめに
「かえかえ君」は、ウィンドウのプレビュー表示とホットキー切り替えを統合的に提供し、ゲームや業務を支援するツールです。
最新版はバージョン2.0です。
できること
「かえかえ君」には大きく分けて2つの機能があります。
・複数のウィンドウをプレビュー表示する
・ホットキーでウィンドウを切り替える
このツールのプレビュー表示でウィンドウを監視し、注目したいときはホットキーでアクティブにする運用が可能です。
ゲーム、監視カメラ、Webサイト、株やFXなどのチャート、これらをプレビュー表示で監視しつつ、必要な時に大きく表示するような目的に向いています。
使用例:
- メインモニタに4つのゲームを配置し、かえかえ君に登録
- すべてのゲームを仮想フルスクリーン化
- サブモニタに「かえかえ君」を仮想フルスクリーン表示
両方のモニタいっぱいにゲームの画面が表示され、複数のゲームを遊んでいるのに没入感が高まります。
もっとできること
- パネルの入れ替え
- 表示パターンの変更(2×2、横配置、縦配置)
- 本体をタスクバーのように画面端へ固定
- 起動オプションで特定のプロセスを一括登録
- 選択ウィンドウの仮想フルスクリーン化
- 選択ウィンドウの最前面化
- 本体の全画面表示、仮想フルスクリーン表示、最前面表示
- 様々な操作のショートカットキー設定
便利な使い方
ゲームの場合、ゲームパッドの付属ツールなどでホットキーをコントローラーに割り当てると、手元で切り替えができ便利です。
JoyToKeyなども親和性が高いソフトです。
仕組み的に2台以上のマルチモニター環境での利用を推奨しますが、シングルモニタでも画面端に固定する機能を利用することでプレビューと作業を両立できます。
画面イメージ
マルチモニタで使う場合
モニタを2つ並べ、左側モニタにWord・Excel・PowerPoint・Publisherを最大化して重ね、右側モニタに「かえかえ君」を最大化して配置し、ウィンドウを登録。
「かえかえ君」の中でウィンドウ2のPublisherをクリック。
1モニタを占有し、最大化のまま切り替えられる。
シングルモニタで使う場合
1画面のみで使う場合は、画面端に固定するのが便利。
下記イメージではマルチモニタの左側のみ使用。
まずは左側モニタの左端に「かえかえ君」を固定し、パネルを縦配置にして、幅を調整。
選択中のPowerPointは最大化しつつも、「かえかえ君」に重ならないように表示されている。
「かえかえ君」の中でウィンドウ4のWordをクリック。
最大化の領域は変わらず、Wordに切り替えらえる。
仮想フルスクリーンの使用例
メモ帳など、普通は仮想フルスクリーンできないアプリも枠とタイトルバーを無くした仮想フルスクリーン表示にすることができます。
安全性について
ウィンドウのプレビューはOSと同じ仕組みを利用しており、画面キャプチャや内部処理への介入などは行っておりません。
同様の処理として、タスクバーのアイコンの上にカーソルを持って行った際に表示される小さなプレビューや、Windowsキー+Tabキーでのタスク切り替え時に表示されるプレビューなどがあります。
ネットワーク機能は一切使用しておらず、外部通信も行っておりません。
保存する情報は画面表示周りの設定のみで、選択したウィンドウの履歴なども保存しません。
技術的な情報はこちらの記事を参照してください。
最新版入手方法
このサイトからダウンロード。
かえかえ君 ver.2.0
Vectorからダウンロード
かえかえ君の詳細情報 : Vector ソフトを探す!
http://www.vector.co.jp/soft/winnt/util/se511509.html
動作環境
- Windows 10 (x64)
- .NET Framework 4.8
開発環境
- Windows 10 Pro (x64)
- Visual Studio 2019
高速なプレビューの仕組みなど、技術的な話に興味のある方はこちらの記事をご覧ください。
インストール方法
- 最初にソフトウェア使用許諾を確認してください。
同意できない場合は利用できません。 - 配布ZIPファイルからインストーラー[WWWWswch.msi]を取り出し実行します。
アンインストール方法
- 設定アプリから「かえかえ君」をアンインストールしてください。
- 設定ファイルはアンインストール後も残っています。不要であれば手動で削除してください。
設定ファイルはユーザーごとの設定フォルダ内の[ShowG_しょーぢ]フォルダに[WWWWswch.exe_Url_xxx\x.x.x.x]の形式で生成されているので、フォルダごと削除してください。
※既定では[C:\Users\(ユーザー名)\AppData\Local\ShowG_しょーぢ]にあります。
バージョン情報ダイアログのバージョン表記部分をダブルクリックするとフォルダが表示されるので、事前に削除しておくと楽です。
※設定ファイルはオプションダイアログでOKボタンを押したときのみに生成・更新されます。
使用方法
起動方法
- インストールした[WWWWswch.exe]を起動します。
起動オプションが2種類あります。
起動オプション[/N]
WWWWswch.exe /N
ホットキーを無効化するオプションです。
複数起動してホットキーは使わない監視を行いたい場合に便利です。
ホットキー無効化のかえかえ君を画面端に固定して小さい画面で監視、普通に起動したかえかえ君ではホットキー切り替えな監視、こんな組み合わせで使えます。
このオプションを設定済みの項目を、スタートメニューに「かえかえ君(ホットキー無効)」として登録してあります。
一括登録オプション[/P]
WWWWswch /P:プロセス名
指定したプロセス名のウィンドウを起動と同時に一括登録するオプションです。
[/P]の後に半角コロンとプロセス名を空白を入れずに記入してください。
WWWWswch /P:mspaint
大文字小文字は識別しません。
プロセス名はウィンドウ選択ダイアログで確認できます。
同じプロセスを監視したい場合、事前に起動しておき、このオプションでまとめて起動時に登録すると早いです。
ウィンドウの選択
- ウィンドウを表示したいパネルを右クリックし、「ウィンドウを選択する」を選択します。
- 起動中のプロセスのうち、ウィンドウタイトルを持つものがリストアップされます。
右側にプレビューが表示されるので、確認しながら選択します。 - 表示するウィンドウが決まったらそれを選択状態にし、「ウィンドウ全体を選択」か「ウィンドウの内側を選択」を押します。違いはウィンドウの枠をキャプチャ対象に含めるかどうかです。
※ストアアプリは枠表示有無以外もプレビュー動作が不安定なのでご注意ください。 - パネルにプレビューが表示されます。
- パネルをクリックすると該当ウィンドウがアクティブになります。
ホットキーによる操作
既定で下記のホットキーでウィンドウ選択ができます。
ホットキーはオプションで変更できます。
- Ctrl + テンキー7 : ウィンドウ1を表示
- Ctrl + テンキー8 : ウィンドウ2を表示
- Ctrl + テンキー4 : ウィンドウ3を表示
- Ctrl + テンキー5 : ウィンドウ4を表示
- Ctrl + テンキー2 : 次のウィンドウを表示(ローテーション切替)
- Ctrl + テンキー1 : 前のウィンドウを表示(ローテーション切替)
- Ctrl + テンキー3 : かえかえ君本体を表示
- Ctrl + テンキー0 : かえかえ君本体と登録ウィンドウ1~4を最小化
JoyToKeyやゲームパッド付属のツールなどを利用してホットキーをゲームパッドのボタンに割り当てると、ゲームパッドからウィンドウ選択操作などができるようになり、便利です。
様々な使用方法
仮想フルスクリーン化
ウィンドウのタイトルと枠線を無くし、画面いっぱいに表示します。
これは、ウィンドウ表示のゲームをフルスクリーン化する目的で実装しました。
例えば、解像度が違うマルチモニタ2台で、左側メインモニタにかえかえ君、右側サブモニタにゲームを表示したい場合、ゲーム内の仮想フルスクリーン的な表示設定では思うようにいかない場合があります。
かといってウィンドウモードでは枠線が邪魔でモニタいっぱいに表示されず没入感に欠ける。場合によっては縮小されて黒枠が出ていまいち、ということもあります。
そうしたときに、この設定を使用して画面いっぱいに表示させることで対応させる、という目的での実装です。
マルチモニターの場合はウィンドウがより多くの割合で表示されているモニタを自動的に選択して最大化します。モニタの選択は不要です。
なお、この機能でも仮想フルスクリーン表示されないウィンドウもあります。それは描画方式などの関係でそういうものなのでご理解ください。
いわゆるストアアプリなどはプレビューも含めて対応できないことが多いです。
仮想フルスクリーン化は、かえかえ君の終了時等に自動的に解除されます。
かえかえ君自身が異常終了した際は解除されないので、そのソフト内かタスクマネージャーで一旦終了させてください。再度起動した際に仮想フルスクリーン化していることはありません。
画面端に固定する
右クリックメニューの「画面端に固定」サブメニューから画面の上下左右に固定することができます。
固定した領域を占有するので、他のアプリを最大化しても重なることはありません。
固定位置とパネルのレイアウトとは連動しないので、別途設定してください。
幅・高さは右クリックメニューの「画面端に固定 → 固定サイズ変更」から変えられます。
固定サイズは既定で25%になっており、最大で50%まで設定できます。
サイズは安全のため記憶しません。
ローテーション切替対象から外す
右クリックメニューの「ローテーション切替対象」のチェックを外すと、ローテーション切替から外れます。
プレビュー表示は見たいが、頻繁に切り替える必要がない場合に便利です。
プレビューの配置方法を変える
既定の「2×2配置」の他に「横配置」「縦配置」があります。
右クリックメニューから変更できます。
監視カメラや株チャートのプレビュー表示など、画面の端で小さく並んでいれば良いものは縦配置や横配置が便利です。
パネルを入れ替える
右クリックメニューの「パネル入れ替え」サブメニューから入れ替え先のパネルを選択することで、内容を入れ替えることができます。
入れ替え元のパネルから入れ替え先のパネルへドラッグ&ドロップしても同様に切り替えることができます。
常に最前面に表示
右クリックメニューの「常に最前面に表示」のチェックを入れると、このツールが常にすべてのウィンドウより前に表示されるようになります。
オプション設定
右クリックメニューの「オプション」から各種設定を変更できます。
詳細は設定画面内の説明文を参照してください。
バージョン情報
この製品のバージョン情報や各種リンクが掲載されています。
バージョン表記箇所(「Version 2.0」と表示されている箇所)をダブルクリックすると設定ファイルフォルダが開きます。
設定ファイルの場所を確認したいときなどに利用ください。
既知の問題
- ゲームによっては仮想フルスクリーン化の際に表示サイズがおかしくなることがあります。
一度仮想フルスクリーン化を解除し、ウィンドウを標準サイズに手動で設定した後改めて仮想フルスクリーン化するとうまくいく場合もあります。
どうやってもダメな場合はそういう描画方式ということで諦めてください。 - 開発環境のWindows 10 Pro(x64)でしか動作確認していないため、他の環境でどのような動作するか不明です。
お問い合わせやコメントなどから動作報告いただけると幸いです。 - 例外処理はがっつり組んでいません。落ちるときはスパっと落ちると思います。
- Operaなど一部のウィンドウは複数のウィンドウが1つのプロセスにまとまっているため、ウィンドウを分けて選択できません。表示したいウィンドウをアクティブにしてから選択すればそのウィンドウが登録される場合もあります。
- 最小化したウィンドウのプレビューは正常に表示されません。
最小化から戻せば正しく表示されるようになりますが、復帰時に拡大表示されたり切れたりするなどおかしくなることもあります。
OSの仕様なので、回避策が見つかるまでこのままです。 - ストアアプリのプレビューは正常に表示されないことが多々あります。
全く表示されなかったり、更新されなかったり、枠の内側だけキャプチャにしてるのに枠もキャプチャされたり、途中でプレビューが更新されなくなったり。
デスクトップアプリと挙動が色々と違うのが原因のため、諦めてます。 - ウィンドウがアクティブにならなかったり、アクティブになった際にアイコンが通知の点滅になることがあります。そのウィンドウ本体をクリックすればおさまります。
OSの仕様なので、回避策が見つかるまでこのままです。
最後に
このソフトが業務や趣味の一助になれば幸いです。
なお、こちらのソフトは【寄付歓迎(Vectorでお支払い)】となっております。
寄付の有無でソフトの動作が変わることはありませんので、ご安心ください。
旧バージョン
旧バージョンは動作保証しません。
履歴
2020/9/9:Version 2.0
- 機能追加
- パネルのドラッグ&ドロップ入れ替え
- 選択ウィンドウを仮想フルスクリーン化/仮想フルスクリーン化解除
- 選択ウィンドウを最前面化設定/最前面化設定解除
- 選択ウィンドウを最大化/最小化
- かえかえ君本体の枠無し最大化ウィンドウ表示
- かえかえ君本体の仮想フルスクリーン表示
- かえかえ君本体の最前面化表示
- 試験的な機能のショートカットキーを追加
- 全てのウィンドウを最大化
- 次/前のウィンドウにフォーカス
- 修正
- ウィンドウの内側を表示にした際、特定の操作で縦のサイズがウィンドウ枠を含む大きさで再計算されていたバグを修正
- 特定の操作でサムネイルの表示が異常になるバグを修正
- その他バグを中心に修正
- その他
- ベクターに登録(1.2は登録削除)
2015/10/19:Version 1.2
- 機能追加
- パネルの入れ替え
- ウィンドウ選択ダイアログに絞り込み機能を追加
- 修正
- パネルを左クリックしたときだけウィンドウをアクティブ
- 画面端に固定する前にウィンドウサイズを一旦標準に戻すようにした
- 各種ダイアログを出す際のウィンドウ表示順制御を調整
- ウィンドウの選択ダイアログのコントロール間の隙間を調整
- インストーラーで作成するスタートアップメニュー項目の修正
- ホットキー無効化で起動しても、オプションダイアログを使用できるようにした
- その他
- ベクターに登録
2015/9/26:Version 1.1
- 機能追加
- 画面端に固定
- ホットキー無効化オプション[/N]
- プロセス一括登録オプション[/P]
- 設定追加
- 配色関連設定
- パネル番号表示設定
- 修正
- メニューをOS標準のメニューに変更
- ウィンドウ選択ダイアログでプロセス名も表示
- ダイアログにある説明テキストの頭を4ピクセル下げた
- ホットキー無効化で起動した際、オプションダイアログを使用できないようにした
2015/9/20:Version 1.0
- 公開